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1992 年度 実績報告書

クリープ・疲労破壊におけるミクロ破壊機構に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 04805010
研究機関茨城大学

研究代表者

鴻巣 真二  茨城大学, 工学部, 助教授 (90091686)

キーワードクリープ・疲労破壊 / 遠心鋳造合金 / 燃料電池 / 改質管
研究概要

燃料電池用改質炉改質管として使用される遠心鋳造合金HK40(24Cr-20Ni)を用いて、クリープ破断試験、クリープ試験およびクリープ・疲労試験[ひずみパターンにより4種類の三角波形(pp波、cc波、pc波、cp波)と1種類の台形波に分けられる]を実施した。ここでpp波とcc波は対称波形で、ppとは引張り、圧縮ともにクリープ変形の起きない程速いひずみ速度で、ccとは引張り、圧縮ともにクリープ変形の起きうる程遅いひずみ速度で繰り返されることを意味している。また、pc波とcp波は非対称波形で、pcとは引張りが速く、圧縮が遅いひずみ速度で、cpはその逆で圧縮が速く、引張りが遅いひずみ速度で繰り返されることを意味している。台形波は遅いひずみ速度で引張り、圧縮され、引張り側で1hの保持を受ける波形である。
その結果は、対称波形にくらべて非対称波形でひずみの繰返しを受ける場合には寿命が短く、特に台形波形での寿命低下が著しいことを明らかにした。そこで、この現象とミクロ破壊機構との関係を明らかにするために破壊過程のミクロ組織の顕微鏡観察および破面の詳細解析を実施し、それら波形の違いによる影響を調べた。対称波形では、クリープ変形の起きうる程遅いひずみ速度の繰返しを受ける場合のcc波においても疲労によりその破壊が支配されており、割れは粒内を伝播しストライエーションが認められた。これに対して、非対称波形では、クリープ破壊が支配的になっており、特に台形波形では粒界に沿って割れが伝播しておりストライエーションは認められなかった。これらの結果から、クリーブ・疲労破壊でのミクロ破壊機構は、対称波形ではその引張り過程で形成されたクリープ・キャビティが続く圧縮過程で消滅し、非対称波形では一旦できたクリープ・キャビティが圧縮過程で消滅されきれず、寿命がこのクリープ損傷に強く影響され低下すると考えられた。そこで、この効果を取り込んだ寿命推定を損傷速度説によって実施し、クリープ・疲労試験での実測値とこの推定値とを比較し、両者が良く一致することを明らかにした。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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