(1)FEM解析で節点の変位が既知/荷重が未知である逆問題の場合、ペナルテイ関数を用いて直接的に解く方法が適用できる。申請者が既に開発しているマイコン/パソコンなどの小容量電算機向きのFEM解析法で採用している能率的な二重タンデム形部分構造法に、このペナルテイ法を導入した。 (2)上記のFEM解析法をさらに能率的に計算するために、並列計算法を開発した。 (3)上記の能率的な並列計算法をハードウエア上で実現するために、現有の16ビット・パソコンに装着するトランスピュータ(トラム)を1個購入した(本研究費)。1個のトラムで並列計算の効果を確かめることはできない。しかし時分割処理を行うことによって、並列計算法の妥当性を検証した。次年度もトラムの購入を計画し、並列計算の効果を確かめる予定である。 (4)上記(1)〜(3)の事項が弾塑性解析に適用できることを確かめた。 (5)FEM解析で節点の変位と荷重が共に未知/既知の逆問題の場合、最小二乗法を用いて解くことになる。しかし多くのメモリ容量を使うので、パソコンで扱うことはできない。そこで節点の変位と荷重が共に既知の場合、上記(1)のペナルティ法が適用できることを確かめた。その結果、最小二乗法の活用が不要になり、効率的な計算が実現できる。 (6)上記(5)の事項は引き続き弾塑性解析に適用できることを確かめた。 (7)上記(5)に述べた節点の変位と荷重が共に未知の逆問題の場合、最小二乗法の活用が不可欠である。そこで上半分を細分割したスカイライン法による小部分マトリックスを構築する計算法を開発した。 (8)上記の事項を通じて、三次元大規模構造の任意の位置が塑性変形するときの諸条件を逆問題として解析できることを可能にした。
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