• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

放電励起による真空紫外希ガスエキシマレーザー

研究課題

研究課題/領域番号 04805037
研究機関宮崎大学

研究代表者

佐々木 亘  宮崎大学, 工学部, 教授 (30081300)

研究分担者 大坪 昌久  宮崎大学, 工学部, 助教授 (90041011)
黒澤 宏  宮崎大学, 工学部, 教授 (80109892)
キーワード希ガスエキシマ / 希ガスクラスター / 真空紫外光 / 放電励起 / クセノンエキシマ
研究概要

電子ビーム励起でその高性能を実証された希ガスエキシマレーザーの放電励起による発振を実現するために、技術的に非常に困難な高気圧ガス中のグロー放電を用いず、原理的に全く違った方法で希ガスエキシマを放電中で作ることを提案した。その方法は希ガス原子の塊である希ガスクラスタを生成し、それを放電励起によって希ガスエキシマにする方法で、本研究の主題である。
平成4年度の研究で希ガスジェット放電において希ガスエキシマの発光を観測したが、5年度はこれをふまえて、我々が提案したクラスタを放電励起してエキシマにするとゆう生成機構の実証と、強いエキシマ発光強度を得るための条件の確立がなされた。
最もエキシマ生成の容易なクセノンガスを用いて、飛行時間型質量分析装置によるクセノンガスクラスタ計測の結果、クラスタからエキシマが生成されることが実験的に実証された。同時に、10^<17>cm^<-3>のクラスタの生成密度が得られるノズルの形状と、ガス噴射条件を確立した。それに比べ現在の放電条件ではクラスタからのエキシマへの励起割合は非常に低く、エキシマの生成数は10^9cm^<-3>で、励起条件が適切でないことがわかった。また、放電励起では高繰り返し動作だけでなく、DC放電動作も可能であるが、DC放電の場合のエキシマ発光は3重項からの遷移が支配的になるため誘導放出光が非常に弱く、レーザー発振を得るためにはパルス放電を用いなければならないことも明らかとなった。しかし、3重項からのエキシマの発光がインコヒーレントな真空紫外ランプとして非常に高効率で、応用分野への展開が非常に有望であることが明らかとなったことは、本研究で得られた結果として特筆すべきである。
今後の展開として、クラスタからエキシマへの励起断面積のエネルギー依存性を測定し、高効率なエキシマ生成が得られる放電条件を明らかにする。シミュレーションコードにより、励起パルスの持続時間と誘導放出光強度の関係を明らかにし、レーザー利得が得られるパルス電源と高反射率レーザー共振器鏡を用いてレーザー発振を試みる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Wataru Sasaki: "Discharge=pumped rare gas excimer lasers" CLEO〓92 Technical Digest. 12. 112-113 (1992)

  • [文献書誌] Kou Kurosawa: "Observation of stimulated emission from electrical excited rare-gas excimers" QELS〓92 Technical Digest. 13. 140-141 (1992)

  • [文献書誌] 松園 清吾: "新しい希ガスエキシマ生成法による準連続誘導放出光の発生" 宮崎大学工学部研究報告. 38. 175-182 (1992)

  • [文献書誌] Masahito Katto: "Laser beam profiler in the vacuum ultraviolet spectral range using photostimulable phosphor" Rev.Sci.Instrum.62. 319-324 (1993)

  • [文献書誌] Kou Kurosawa: "Growth of siliconmicrocrystals in thin surface layers of quartz glass with vacuum ultraviolet laser processing" Appl.Surface Science. 70:71. 712-715 (1993)

  • [文献書誌] 小曽根 伸憲: "希ガスエキシマ生成断面積計測システムの検討" 宮崎大学工学部研究報告. 38. 79-86 (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi