平成5年度は研究期間の最終年度であることを踏まえ、以下のことがらについて研究とまとめを行った。 (1)前年からの継続課題として、モルタルと粗骨材の界面の挙動を明らかにするため、モデル骨材を製作して、粗骨材の寸法・形状・配置をパラメータとして実験を行うとともに、その数値モデル化を行った。 (2)構築したコンクリート要素モデルを用いて、これを組み込んだ境界要素法強度解析プログラムの開発を行い、コンクリートの形状・寸法・載荷方法・骨材形状等の違いによる強度特性・応力-ひずみ関係などの力学特性について、解析と実験との検証を行った。本年度は、この解析プログラムを非線形解析にも拡張する形で開発し、多角形骨材モデルがランダムに配置された、自動要素生成機能を備えたツールとして一応の完成をみたものである。 (3)さらに開発した解析ツールの応用として、コンクリートの寸法効果・温度応力・クリープ・流動性等の問題への適用を検討してその解析を行い、開発した解析ツールの評価も行った。 (4)以上の研究のまとめ作業を行い、開発したプログラムの利用法の説明を含んだ成果報告書の冊子を作成した。この報告書は所定の手続きに従って、公表を予定している。 (5)今後の課題として、コンクリート強度のランダム性を支配する要因を、今回開発の解析ツールのパラメトリック解析への適用などから明らかにしていくことなどが挙げられる。
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