研究課題/領域番号 |
04805049
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 聡之 九州大学, 工学部, 助手 (50136537)
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研究分担者 |
谷口 倫一郎 九州大学, 総合理工, 助教授 (20136550)
平野 宗夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037850)
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キーワード | 降雨予測 / 土石流発生予測 / ニューラルネットワーク / 豪雨災害 / 画像処理 |
研究概要 |
(1)データの収集・加工 建設省九州北部レーダの88年九州中北部豪雨時のデータ・91年の雲仙における降雨時のデータ・建設省九州南部レーダの82年8月から85年7月までの桜島における降雨時のデータそれに川崎市のレーダにより観測された磁気テープを入手し、これを標準レーダフォーマット(RAP)に変換した。また、気象庁雲仙岳測候所により観測された10分間雨量データーも収集した。 (2)土石流発生予測への適用 ニューラルネットワークの三層モデルを用いて、雲仙岳における91年五月の10分間雨量から求めた、10-120分累加雨量最大値を入力とし、土石流の発生・不発生を教師信号としてバックプロパゲーション法により学習を行い、91年6月以降のデータを与えてその精度を検証した。その結果、防災上問題となる見逃し率は0、空振り率も30%以下程度と極めて良好な成績をあげた。同様の方法で桜島のレーダデータ(5分間)雨量を入力とした場合でも良好な結果を得た。 (3)学習方法の比較 前述のバックプロパゲーション法の他に拡張カルマンフィルタを用いて模擬データと桜島の場合に比較を行った。模擬データの場合は、拡張カルマンフィルタの方が学習が高速で精度も高かったが、桜島の実際のデータの場合は逆にバックプロパゲーション法のほうが高速であるという結果を得た。 (4)降雨域の追跡 降雨データをしきい値処理した後、ラベル処理して番号を付け、各々の降雨域の特徴量(平均雨量強度・ピーク雨量強度・雨量強度の重心位置・円形度・)を算出し、これら特徴量をニューラルネットワークの入力にラベル番号を教師信号として学習させ、次のステップの降雨域の特徴量を入力とし相当するラベル番号を出力させることに成功した。これにより降雨域の自動識別と追跡が可能となった。
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