研究概要 |
1.研究の目的 水と屈折率の等しいガラスを開発し,これを用いて,可視化および画像解析技術により,水と固体粒子の運動の相互作用について研究することを目的とする。 多くの固体粒子を浮遊する流れの可視化における最大の問題点は,粒子が光を屈折,散乱,もしくは遮断することである。この問題を解決するには,水と屈折等の等しい透明ガラス粒子を用いればよい。ところが通常の石英系ガラスで屈折率の最も低い純粋石英ガラスの屈折率は1.458であり,水の屈折率は1.333である。本研究ではできる限り屈折率の低い固体粒子を作成するとともに,水にヨー化カリウムを加えて屈折率を上げ,両者の屈折率を合わせることを試みた。 2.本年度の研究成果 (1)電気炉の製作 N_2もしくはアルゴンガス中で試料を1000℃以上に上げ溶解するための電気炉を設計製作した。 (2)MCA系フッ化物ガラス試作 (20MgF_2+50CaF_2+30AlF_3)の資料を溶解し,ガラス片化した。屈折率は1.3806であった。ただし,ガラス化するには950℃から400℃に急冷する必要があり、ガラス小球を作成することはできなかった。 (3)フッ化リチウムの結晶 LiFの結晶を作り屈折率を測定した。1.3831であった。MCA系ガラスやLiF結晶は、KI溶液中で(当然屈折率を合わしている)全く透明で見えなくなった。 3.今後の課題 MCA系ガラスやLiF結晶の小球,立方体試料化と可視化実験。
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