研究概要 |
トドマツの垂直分布に伴う遺伝的変異に関する研究を行なうために,研究分担者は,次のような研究をおこなった。 1.東京大学北海道演習林の標高別産地試験地6地点(230,410,530,730,930,1100m)と230mの展示樹木園において植栽木について次の調査がおこなわれた。 (1)成長(樹高,胸高直径)を測定し,資料の分析中である(倉橋・渡邊) (2)着花(雄・雌)を調べ,球果・種子を採取し,その性状を分析中である(倉橋・渡邊) (3)トドマツ枝枯病調査を行い,病害抵抗性を検討中である(高橋) (4)立木と間伐木を対象に材質を調査分析中である(中村) 2.東京大学北海道演習林の森林限界付近1200mにおいて伏条更新を行っているトドマツ個体が観察された。(木佐貫・木村・倉橋)森林限界付近に生育するトドマツ集団は伏条更新という栄養繁殖を行う特性を持った遺伝的に特異な集団であると類推される。 2の内容は、新しい知見と考え,第42回日本林学会北海道支部研究発表会で発表(1993年11月)した。
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