研究課題/領域番号 |
04806021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡田 滋 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40233332)
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研究分担者 |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60112322)
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | ナラ類 / 雑種 / 電子顕微鏡 / デジタイザー / 葉毛型 / アイソザイム |
研究概要 |
中国山地(蒜山、三平山)のミズナラ、コナラ、カシワの混交林で雑種性を明かにすることを目的として、3箇所に調査プロットを設定し、個体別に葉を採取して、走査式電子顕微鏡(SEM)による葉毛型の観察とデジタイザーによる葉の14形質の測定を行った。葉毛型による分類では、調査本数203個体のうちミズナラ型37.9%、コナラ型24.6%、カシワ型12.3%でこれらの中間型が25.2%を占めていた。これらの中間型はデジタイザーによる葉の形質調査からも統計解析によって各樹種の中間に位置していることが明かとなり、葉毛型は落葉性ナラ類の分類の重要な要素であることが示唆された。 なお、葉毛型と各樹種の関係を要約すると、次のとおりとなる。 ミズナラ型:無毛、ごく希に小星状毛、短毛がある。 コナラ型:有毛で密生、小星状毛、大型星状毛が共生あるいは密生する。 カシワ型:コナラ型より更に大型の星状毛が疎性あるいは密生する。 これらの中間の形態がミズコナラ型、カシワモドキ型、コガシワ型である。 また鳥取大学蒜山演習林及び鳥取大学苗畑より採取したミズナラ、コナラ、カシワ、アベマキ、クヌギ、ナラガシワ計45個体の葉についてPOD、GOT、GHD、Est、Acpの5酵素について電気泳動によるアイソザイム分析を行った。このなかでGHD及びAcpはバンドの出現が不明瞭であったため解析は行わずPOD、GOT、Estの3酵素について検討した。その結果3酵素でバンドの出現に若干の相違がみられ、各樹種についてもそれぞれの酵素で特徴あるバンドパターンが示された。 以上、葉毛型、葉の形態、アイソザイムバンドのパターンなど本実験で得られた情報は樹種の分類、雑種の判定の基礎となり、天然林の構造解析をともに質の高い経済林の育成、しいたけ原木のための優良個体の選抜などナラ類の育種に資するものと考える。
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