1)組織片からの木本性植物体再生:ヒノキ葉片とポプラシュート組織片からの個体再生条件を検討した。前者では3-5鱗片葉/1再分化シュート、後者では2-5再分化シュート/2mm厚切片の割合で再分化シュートが再生した。これらから発根はするが、定量化には至っていない。 2)一年を通じて無菌的に組織片を培養するためには、若い萌芽枝から無菌苗を作ることが必須であった。無菌的シュート培養することによって、季節によらず実験できるようになった。 3)両刃剃刃を2mm厚にならべることによって、多数のシュート木口切片(500-1000枚)を数分で得ることが可能になった。これによって、ポプラ切片からの個体再生数を飛躍的に増加させることができる。これとは別に自作した切片作成器によって、遺伝子導入のための薄切片(0.5mm厚)を無菌的に調製した。 4)薄切したポプラ組織を用いて、金粒子上にpBI122(35SプロモーターとGUSのキメラ遺伝子)をコーティングし、圧縮空気圧式パーティクルガンでこの遺伝子を打ち込んだ。 1)前処理をしないポプラ切片の遺伝子発現効率(GUSによる一過性発現)は、形質転換植物個体を得るには1-40スポット/プレートと低かった。 2)同様の実験を前処理をしたポプラ切片で行なったところGUSの遺伝子発現効率が200-500スポット/プレートと飛躍的に増加し、形質転換個体を得ることのできる水準に達した。現在、この現象の再現性と原因を確認するために研究を継続中である。
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