どのようなジオテキスタイルを土中に敷設したら、下方からの毛管水の上昇を遮断するかを判定するために、室内凍上試験と毛管上昇試験を行った。この結果を次に要約する。 室温での毛管上昇試験は、畜大火山灰土では、毛管上昇速度が遅いほど、ジオテキスタイルの含水比が低くなる傾向がみられ、ジオテキスタイルを使用したの効果は明白であった。また、十和田土においても、毛管上昇速度と含水比の面からジオテキスタイルの効果は明白であったが、含水比では、ジオテキスタイルの種類による差は見られなかった。しかし、帯広土では、ジオテキスタイルの明確な遮水効果は、見られなかった。この試験では、コスモレベル、サンドフ、パブリックドレーンが、安定した結果を示した。 次に室内凍上試験では、水分張力の変化において、FPシート、コスモレベルはジオテキスタイル下の未凍結部分の水分張力の変化の傾きが小さくジオテキスタイルの効果が明白であった。また、テクトンでは、時間的に多少水分張力の上昇するのが遅かったが、ジオテキスタイルを使用しないときに似ていて、あまりジオテキスタイルの効果は、明白にみられなかった。他方、実験後の含水比の分布から言えることは、水分張力でよい結果を得たFPシートとコスモレベルは、ジオテキスタイル上の未凍結土とジオテキスタイル下の含水比の差が大きく、明白な遮水効果があったと考えられる。 以上の結論より、室内実験では、ジオテキスタイルとしてコスモレベルとFPシートを遮水工法の部材として利用するのが有効であると考えられる。
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