本年度は、実験装置の一部手直しなどの予定外の仕事が忙殺されたこと。また、試料としての泥炭土を掘削入手するための、サンプリングの可能な土地改良事業の場所を探すことに手間取ったたり、サンプリングの時期が 冬の農閑期に限られるため、多少計画が遅れ勝ちである。 しかし、現在実験装置の一部改良作業は完了した。 改良の必要な実験上の問題点は次のようである。 (1)、既に実施した実験では間隙水圧の測定が十分で成功したとは言いがたいので、その改良を計った。間隙水圧の測定に際し、圧力計の受感部の位置と間隙水圧の測定の位置が十分把握できないなどの、混乱が見られたことなによる。 (2)、層別変位計での沈下および膨張量の測定を水準測量に頼っていたが、測定精度の向上のためポテンションメーターなどを利用した変位測定の方法に改良の必要があることが分かった。 (3)、圧密沈下量および膨張量の算定には、浸透力圧密の試験データが必要で有る。そのため、動水勾配型の圧密試験法の研究が必要である。 このような問題点の解決が必要で有るが、予備的におこなった土層実験では、最終沈下量および最終膨張量の予測では、m^v法およびm^<vs>法が適合する。しかし、圧密速度および膨張速度の解析には圧密係数C^vおよびC^<vs>が適切に測定されなければならない。
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