昨年度は、豚の成長モデルに関するデータ収集を行い、豚の経済的最適環制御アルゴリズムを構築した。今年度は、この経済的最適環境制御アルゴリズムをプログラム化し、コンピュータに組み入れ、換気扉や暖房器などと接続し、経済的最適環境制御システムを試作した。そして豚舎に設置し、このシステムの有効性を確認する。 1)昨年度に開発した豚の経済的最適制御のアルゴリズムをパスカル言語を用いて作成し、これをマイクコンピュータ環境制御機器にROM化して入力した。このプログラムの作成は、アメリカ合衆国ケンタッキー大学農業工学科のRichard S.Gates助教授と共同して行った。コンピュータは温度センサーを接続し、リレーを介して換気扇、カーテン、電気暖房器などを駆動する。また、市場における豚肉や飼料の価格など変動する因子は随時、再入力できるようになっている。このようにして豚の経済的最適環境制御システムを試作した。問題点は、豚舎内のアンモニアガスや雷などの突発的な電気ショックにも耐えられるコンピュータ制御機器システムの安全装置の開発である。 2)システムのアルゴリズムおよび機能を実証するため、十和田市内の養豚場にて肥育豚約20頭以上を供試して生育試験を行う。このとき、対照区を設け、両者の出荷までの経費の比較を行い、豚の経済的最適環境制御システムの有効性を明らかにする予定である。 3)この実証試験では現在、自動カーテンの設置や換気扇の改良を行っている。実験は次年度にわたる可能性がある。
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