研究課題/領域番号 |
04807017
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 洋子 札幌医科大学, 医学部・付属がん研究所, 講師 (60045424)
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研究分担者 |
佐々木 輝捷 札幌医科大学, 付属がん研究所, 教授 (00045494)
名倉 和子 札幌医科大学, 付属がん研究所, 研究技師
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キーワード | レトロウイルスベクター / タンパク質チロシンキナーゼ / ポリメラーゼ連鎖反応 / フォーカル・アドヘジョン・キナーゼ |
研究概要 |
SV40large T坑原を保有するレトロウイルス、および、アデノウイルスE1A遺伝子を有するレトロウイルスを用いて、新生ラット小脳および胎生ラット脳の初代培養細胞の不死化を試みた。継代可能な細胞集団を得たので、細胞のクローン化を試みている。この不死化細胞集団で発現されているタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)のクローン化を行なった。PTKの良く保存された触媒領域VIおよびIXのモチーフに対応するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用前向きおよび逆向きオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。プライマーはSrc群PTKを増幅しないように設計した。不死化細胞集団から調製したRNAを鋳型として用い、このプライマーでPCRを行った。予期された200塩基対のPCR産物をpBluescriptにつなぎ、PCRライブラリーを作成した。塩基配列決定により、このライブラリーをスクリーニングした所、幾つかのGenBank未登録な配列を見いだした。これらをプローベとして用い、ラット脳cDNAのlambdaZapIIライブラリーをスクリーニングした。得られた未知cDNAクローンの中に第二のFocal Adhesion Kinase(FAK)と考えられるものがあり、目下、鋭意その構造解析を進めている。FAKは既にクローン化されたニワトリ、ヒト、マウス間でアミノ酸配列は極めて保存されている。この新しいFAKは、PTK触媒ドメインのアミノ酸配列において、FAKに似てはいるが異なっている。しかし、そのVIbモチーフには、FAKに特徴的なHRDIAの配列がある。また、触媒ドメインのN末端側とC端側にそれぞれ大きなドメインが存在する点もFAKと同じであり、この部分のアミノ酸配列にはFAKと低い相同性が認められた。
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