研究課題/領域番号 |
04807031
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
長岡 功 順天堂大学, 医学部, 助教授 (60164399)
|
研究分担者 |
福田 豊 順天堂大学, 医学部, 助手 (40208971)
|
キーワード | 好中球 / 殺菌性ペプチド / デフェンシン / カチオニツクペプチド / 遺伝子クローニング / プローモーター / トランスフェクション / ルシフェラーゼ |
研究概要 |
デフェンシン(カチオニックペプチドとも呼ばれる)は、好中球の顆粒内に存在する殺菌性ペプチドであり、グラム陽性菌、陰性菌のみならず真菌、ウィルスに対して広い抗微生物作用を示す。さらに、難治性感染症を繰り返すChediak-東症候群や好中球の顆粒欠損症においてデフェンシンの低下が認められることから、デフェンシンは生体の感染防御反応において重要な役割を果たすと考えられている。本研究では、デフェンシンの遺伝子を単離し、その転写調節領域を解析することによってデフェンシンの遺伝子発現機構を検討した。 まず、デフェンシンの遺伝子を単離するためにゲノミックライブラリーをスクリーニングしたところ、4つの遺伝子クローンが得られた。それらクローンの塩基配列を調べたところ、2つはデフェンシン(CP)-1をコードし、残りの2つはデフェンシン(CP)-2をコードすることがわかった。さらに、ゲノミックDNAと得られた遺伝子クローンDNAをサザンブロットで解析したところ、同様のパターンが見られたことから、得られた遺伝子クローンは、それぞれデフェンシン-1および-2遺伝子の対立遺伝子であることがわかった。つぎに、polymerase chain reaction法を用いて遺伝子クローンの5'上流領域から種々の長さのDNA断片を調製し、これらDNA断片をルシフェラーゼ遺伝子に組み込み、細胞にトランスフェクションした。その結果、デフェンシン遺伝子のプロモーターは、エキソン1の上流約400塩基に存在し、デフェンシン-1遺伝子のほうが-2遺伝子よりも2倍強いプロモーター活性を示すことがわかった。これらのことから、デフェンシン-1と-2は、2つの異なる遺伝子によってコードされ、それらの発現は転写レベルで調節されている可能性が考えられた。
|