研究概要 |
本年度は平成4,5年度で確立した睡眠導入剤トリアゾラムと農薬パラコート・ジクワットの分析方法を用いて実際の鑑定を試みた.その結果いずれの方法でも腐敗組織も含むさまざまな試料の分析に対応できることが判明し,迅速かつ正確な法医鑑定に役立った. 次にこれまで行ってきた薬毒物ではなく,食べ物として摂取された胃内容中の小片に含まれる植物色素(フラボノイド)に着目し,色素の分布パターンから摂取された食べ物の同定を行い,被害者の死亡時期や生前の行動を追跡することを企図した. 現在種々の野菜について,含有するフラボノイドを高速液体クロマトグラフィーで分析し,フラボノイドの分布パターンに違いがあるかどうかデータを蓄積して検討を行っている.
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