研究概要 |
超音波発振器を大型にし、使用周波数を20KHzとし、出力を1Watt以上とすればその先端の形状が3mm径と細くても十分な成果を得ることができ、試験管内にて実験的に作製した血餅、血栓を速やかに破砕した。一方、微小超音波発振子を臨床に用いるべく、径1mmおよび2mmの超音波発振子をセラミックにて作製した。この共振周波数を水中での微小気泡の拡散程度から判断し求めた.発振子固有の共振周波数がこの方法で得られたので,それ以外の周波数の効果は検討しなかった.発信音波の波形として正弦波形、矩形波、鋸状波の3種類を検討したが,水中の微小気泡の拡散程度から判断すれば正弦波形が最も効率が良さそうであった.電圧は過負荷にならない範囲で最大とした.この条件下では、試験管内の微小粒子に対しての音圧の影響を可視化でき、本法の臨床応用の可能性が示唆された.in vitroの検討として、輸血用採血バッグに保存の血液をトロンビンを添加して凝固血液を作成した.これに対し,現存の血栓溶解剤(ウロキナーゼ)を加えたもの,さらにそれに微小超音波振動を付加したものを対象として,血清中のFDPおよびD-dimerを経時的に計測した.その結果微小超音波振動を加えると,血栓溶解が促進される結果を得た.
|