家族内にHLA一致のドナーのいない両親より承諾を取ったうえ骨髄細胞を採取し、LSM^<【.encircledR.】>(Organ Teknika Corporation、比重1.077)を用いて比重遠心して単核細胞(MNC)を得た。その後Applied Immune Sciences社のsaybean agglutin lectin(SBA)及び抗CD34抗体を共有結合した培養フラスコ(MicroCELLector)を使用してCD34陽性細胞を分離した。SBA非付着細胞の回収率は平均20%であった。CD34陽性細胞の回収率はSBA非付着細胞の5%、MNCの1%であった。この両親から得られたCD34陽性細胞を1:1の比率で混合した後遠心した沈渣に50%ポリエチレングリコール1mlを1分間かけて攪拌しながら加えた。この融合細胞に父親及び母親のHLA抗原のうち子供に発現しているHLA抗原に対する抗体を加え22℃、45分間反応させFACSにてHLA抗原を指標にして陽性細胞を分離した。例えば、父親がHLA-B44、B60、母親がHLA-B51、B67の家族では、子供である患児に発現しているHLA-B51、B60陽性細胞をFACSで分離後24時間後にその細胞のHLA-B44、B67の発現をみた。この細胞は、ほとんどの細胞がB44、B67も発現しており、HLA-B51、B60のみが発現している細胞はほとんどなかった。この結果より両親の骨髄細胞から子供の骨髄細胞と同じHLAを発現している細胞を得るためには、必要としないHLA抗原、例えばB44、B67の発現をアンチセンスRNA法などによって抑制する必要があると考えられ、現在その可能性について検討している。
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