研究課題/領域番号 |
04807071
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木下 洋 関西医科大学, 医学部, 講師 (10105778)
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研究分担者 |
圀府寺 美 関西医科大学, 医学部, 助手 (90198614)
谷内 昇一朗 関西医科大学, 医学部, 講師 (70171832)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | F-アクチン / 好中球 / 新生児 / サイトカイン |
研究概要 |
新生児では一般に細菌感染症に罹患しやすく、一旦発症すると致死的となることが多い。その一つの理由として、好中球の付着能、走化能では著明な低下を認めている。最近細胞一個一個の運動能をF-アクチンに特異的に結合するNBD-Phallacidinを使用して、フローサイトメトリーで測定することが可能となり、我々はそのプローブを用いて新生児好中球の運動能を測定し、成人大人好中球のそれと比較した。研究対象は健康成人へパリン加静脈血および満期産の正常分娩児、および帝王切開で出生した児の臍帯血を用い、好中球F-アクチンを測定した。即ち、好中球を比重遠心法で分離し、fMLP(N-formyl-methionyl-lencyl-phenylalanine)あるいはPMA(Phorbol myristate acetate)を加え、1分、3分、5分後に3.2%のパラホルムアルデヒドで固定した。固定した好中球をNBD-Phallacidinで反応させ、フローサイトメトリーで5,000個の好中球を解析した。 研究結果をまとめると:(1)好中球をfMLPで刺激すると1分後のF-アクチン(以下FA)は成人のFAに比較して有意に低値を示した。;(2)その原因は無刺激時のFAの上昇と刺激時の低下によるものであった。;(3)無刺激時のFAの上昇は臍帯血中にあるサイトカインよるプライミングによることが示唆された。;(4)臍帯血好中球をfMLPで刺激した時のFAの有意の低下はfMLPによく反応する好中球と反応しない好中球の2つの集団の存在の結果として生じた。 結論として臍帯血好中球は成人好中球に比べ、有意にF-アクチンのfMLPに対する反応性の低下を認め、その理由として臍帯血好中球heterogeneityの存在とサイトカインのprimingによる影響が示された。
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