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1992 年度 実績報告書

経口感作による薬物・金属アレルギーの発症機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04807074
研究機関横浜市立大学

研究代表者

池澤 善郎  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90046128)

キーワードアンレキサノクス / 接触アレルギー性皮膚炎 / 経口トレランス / 経口脱感作 / ピロキシカム / 交叉反応 / 金属 / 交叉トレランス
研究概要

(1)抗アレルギー剤であるアンレキサノクス(AMLX)は本薬剤配合の点眼液による接触アレルギー性皮膚炎が多数報告されている一方で、内服薬による全身性の薬疹はほとんど報告されていない。我々はモルモットをAMLXを経皮感作した結果、本薬剤は強い接触感作性を有することが判明した。さらに本薬剤を感作誘導前に経口投与することにより、トレランスが誘導されることを確認した。このことから、本薬剤配合の点眼液の使用の際には内服薬を一定期間、服用することで接触アレルギー性皮膚炎発症のリスクを軽減できる可能性が考えられた。また、AMLXに対する接触アレルギーが成立している動物に本薬剤を経口投与することで、一時的な脱感作状態を誘起することができたが、その脱感作状態は長期間継続するものでなかった。
(2)非ステロイド系抗炎症剤ピロキシカム(PXM)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を用いて経皮感作(接触感作ないし光接触感作)し、アレルギーの成立を皮膚試験、リンパ球増殖試験にて調べる実験系を確立した。さらにNi,Co感作誘導前にNi,Coそれぞれを経口投与することによりトレランスが誘導されることを確認した。
(3)PXM光感作性とチオサリチル酸感作の間では相互に交叉トレランスが成立することが判明した。これより、PXM光感作性とチオサリチル酸感作性はトレランスのレベルでも同じエピトープを認識していることが示唆された。またNiとCoの間では片方向性の交叉反応、すなわちNi感作した場合Coと交叉するが、Coで感作した時はNiとは交叉しないという現象を見出だした。さらに、このモデルにおいてNi感作前にCoを経口投与することによってCo特異的なトレランスが誘導されるが、Ni感作前にNiを経口投与すると、NiのみならずCoに対しても交叉トレランスが誘導され、NiとCoの間では過敏反応と同じ片方向性の交叉トレランスが認められた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ikezawa Z,Kitamura K,Osawa J,Hariya T: "Photosensitivity to piroxicam is induced by sensitization to thimerosal and thiosalicylate" The Journal of Investigative Dermatology. 98. 918-922 (1992)

  • [文献書誌] Hariya T,Kitamura K, Osawa J,Ikezawa Z: "A cross-reaction between piroxicam-photosensitivity and thiosalicylate hypersensitivity in lymphocyte proliferation test" Journal of Dermatological Science. (1993)

  • [文献書誌] Hariya T,Ikezawa Z, Aihara M,Kitamura K Osawa J,Nakajima H: "Allergenicity and tolerogenicity of amlexanox in guinea pig" Contact Dermatitis (第42回日本アレルギ-学会にて発表,1992.10). (1993)

  • [文献書誌] Hariya T,Kitamura K, Osawa J,Ikezawa Z: "Piroxicam has at least two epitopes for contact photoallergy" Journal of Dermatological Science (17th Annual Meeting of JSIDにて発表,1992.10). (1993)

  • [文献書誌] Hariya T,Kitamura K Osawa J, Ikezawa J,Ekizawa Z: "Cross-tolerance between piroxicam photosensitivity and thiosalicylate hypersensitivity" Journal of Dermatological Sciense (17th Annual Meeting of JSIDにて発表,1992.10). (1993)

  • [文献書誌] Kitamura K,Hariya T,Ikezawa Z,Osawa J,et al: "Cross-reactivity among metal allergies" The Journal of Investigative Dermatology.(8th International congress of Immunologyにて発表 1992.8.). (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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