1992 年度実績報告書

RI標識抗癌剤を用いた温熱と抗癌剤併用による相乗効果のメカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号	04807077
研究機関	京都大学
研究代表者	赤星光彦京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027418)
研究分担者	増永慎一郎京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80238914) 小野公二京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407) 河合建一京都大学, 原子炉実験所, 教務職員 (30110761)
キーワード	^<195m>Pt / シスプラチン / 利癌性白金錯体 / 温熱(ハイパーサーミア) / 併用療法 / HeLa細胞 / ターゲットボリューム
研究概要	原子炉照射により得られた^<195m>Ptを材料とし、HPLCを利用してシスプラチン、カルボプラチン、DWA2114R等各種の標識制癌性白金化合物を合成する事に成功した。これらの標識化合物の比放射能は約300μCi/mg-Ptとなり、毒性の少ない低濃度で処理された培養細胞中のDNA、RNA、蛋白質分画に結合した白金量を充分定量することが可能である。我々はHeLa細胞を各種条件において^<195m>Pt-CDDPで処理した後、コロニーアッセイ法によって、それぞれの条件に対する処理濃度の関数として平均致死濃度(Do)を求めた。次に同様に処理された細胞からシュナイダー法を用いてDNA,RNA,蛋白質等各分画を抽出し、細胞内高分子と結合する白金数を定量した。この様にして、N=Noe^<-vc>として表される生残率曲線における濃度cを各細胞内高分子に結合した白金数に置き換える事が出来る。こうして計算された平均致死結合数の逆数はターゲット量であり、結合した白金当たりの致死効率を与える。この手法を用いて各種白金化合物の致死効率を求めるための一連の研究を進めつつある。ターゲット量を指標として解析の第一の利点はターゲットの大きさから自動的に細胞死に対する標的分子を知る事が出来る点にある。このようにして上記各白金化合物の細胞致死に対する標的はDNA分子である事が明らかにされた。この解析法の第二の利点は、ターゲット分子に結合した白金分子当たりの致死効率を求める事が出来る点にある。温熱-白金制癌剤および放射線-白金制癌剤間にみられる相乗作用および協調作用に対するメカニズムの解析が現在進められつつある。本申請における経費の主たる部分は消耗品費であり、上記研究を遂行するための動物や細胞培養に必要な薬品・プラスチックチューブ等の購入に当てられ、有効に使用された。

研究成果

(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] Mitsuhiko Akaboshi: "The number of platinum atoms binding to DNA,RNA and protein molecules of HeLa S-3 cells treated with cisplatin at its mean lethal concentration." Jpn.J.Cancer Res.,. 83,. 522-526 (1992)
[文献書誌] 赤星光彦: "^<10>B(n,α)^7Li反応からの高LET粒子線を利用したアミノ酸の無生物的合成。" Viva Origino,. 20,. 163-169 (1992)
[文献書誌] 赤星光彦: "放射線を利用した化学進化の実験研究。" Viva Origino,. 20,. 289-294 (1992)
[文献書誌] Mitsuhiko Akaboshi: "Determination of the target volume of HeLa cells treated with platinum-195m radiolabeled trans-diamminedichloroplatinum(II);By a comparison with cis-diamminedichloroplatinum(II)." Nucl.Med.Biol.,. IN PRESS. (1993)
[文献書誌] Kenichi Kawai: "Synthesis of ^<195m>Pt radiolabeled(-)-(R)-2-aminomethylpyrrolidine(1,1-cyclobutanedicarbozylato)-2-platinum(II)monohydrate using high performance liguid chromatography." J.Radioanal.Nucl.Chem.Letters,. 164. 123-130 (1992)
[文献書誌] Kenichi Kawai: "Synthesis of platinum-195m radiolabeled trans-diamminedichloro platinum(II)of high chemical and radionuclidic purity using high performance liquid chromatography" Annu.Rep.Res.Reactor Inst.Kyoto Univ.25,. 78-82 (1992)
[文献書誌] 赤星光彦: "講座「進化」第5巻“生命の誕生"生物界の光学活性の起源" 東京大学出版, 26 (1991)

1992 年度 実績報告書

RI標識抗癌剤を用いた温熱と抗癌剤併用による相乗効果のメカニズムの解析

研究代表者

赤星 光彦 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027418)

研究成果

[文献書誌] Mitsuhiko Akaboshi: "The number of platinum atoms binding to DNA,RNA and protein molecules of HeLa S-3 cells treated with cisplatin at its mean lethal concentration." Jpn.J.Cancer Res.,. 83,. 522-526 (1992)

[文献書誌] 赤星 光彦: "^<10>B(n,α)^7Li反応からの高LET粒子線を利用したアミノ酸の無生物的合成。" Viva Origino,. 20,. 163-169 (1992)

[文献書誌] 赤星 光彦: "放射線を利用した化学進化の実験研究。" Viva Origino,. 20,. 289-294 (1992)

[文献書誌] Mitsuhiko Akaboshi: "Determination of the target volume of HeLa cells treated with platinum-195m radiolabeled trans-diamminedichloroplatinum(II);By a comparison with cis-diamminedichloroplatinum(II)." Nucl.Med.Biol.,. IN PRESS. (1993)

[文献書誌] Kenichi Kawai: "Synthesis of ^<195m>Pt radiolabeled(-)-(R)-2-aminomethylpyrrolidine(1,1-cyclobutanedicarbozylato)-2-platinum(II)monohydrate using high performance liguid chromatography." J.Radioanal.Nucl.Chem.Letters,. 164. 123-130 (1992)

[文献書誌] Kenichi Kawai: "Synthesis of platinum-195m radiolabeled trans-diamminedichloro platinum(II)of high chemical and radionuclidic purity using high performance liquid chromatography" Annu.Rep.Res.Reactor Inst.Kyoto Univ.25,. 78-82 (1992)

[文献書誌] 赤星 光彦: "講座「進化」第5巻“生命の誕生"生物界の光学活性の起源" 東京大学出版, 26 (1991)

1992 年度実績報告書

赤星光彦京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027418)

[文献書誌] 赤星光彦: "^<10>B(n,α)^7Li反応からの高LET粒子線を利用したアミノ酸の無生物的合成。" Viva Origino,. 20,. 163-169 (1992)

[文献書誌] 赤星光彦: "放射線を利用した化学進化の実験研究。" Viva Origino,. 20,. 289-294 (1992)

[文献書誌] 赤星光彦: "講座「進化」第5巻“生命の誕生"生物界の光学活性の起源" 東京大学出版, 26 (1991)