研究概要 |
1.カイニン酸誘発てんかんモデルを用いた動物実験 本年度はてんかん焦点の脳血流と抑制系伝達物質(Benzo diazepine,GABA,Serotonin)のレセプターを検討した。扁桃核カイニン酸注入によりてんかん重責発作を約3日間誘発し、3週間目以降は自発発作が認められることを確認した。1か月後ラットの大腿静脈にカニュレーションし、[14C]-IAPを静注し、動脈採血、断頭、クライオスタットにより脳切片作製し、脳血流を測定した。更に隣接する脳切片の[14C]-IAPをbufferで除去した後、[3H]-Ro15-1788、[3H]-Muscimol、[3H]5-HTを用いてin vbitro aut oradiographyを行ない、画像解析装置を用い、脳血流と抑制系伝達物質を同時に測定した。 結果:脳血流はKA注入部位の扁桃核及び海馬錐体細胞層で低下していた。又、抑制系伝達物質のBenzo diazepine([3H]-Ro15-1788),GABA([3H]-Muscimol),Serotonin([3H]5-HT)receptor bindingは全て扁桃核及び海馬錐体細胞層で低下し、海馬歯状回では逆に上昇していた。これらの変化は脳血流よりも抑制系神経伝達物質レセプターのほうが限局した挟い領域に認められた。 2.臨床研究 側頭葉てんかん患者2名で術前に脳血流をSPECTで測定し、術後手術切除標本の神経伝達物質in vitro aut oradiographyを行なった。結果は動物と同様の変化が認められた。
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