研究概要 |
(1)アセチルシステインの慢性毒性試験 雑種成犬を用いて、肝嚢外癌を造設し、薬剤注入ルートとした。手術の影響の消えた術后1週目より、アセチルステイン(20%)を5cc注入し、チューブをクランプした。犬の胆道系容量は造影剤注入により5ccで十分に満たされることを確認した。この注入を1週間毎日行い、採血を行って肝酵素(T.B.I,GCT,GPT,ALP,LAP)及び胃機能(BVN,Cr)赤血球数、白血球数を測定した。注入后1週目より生食水に変えて同様に注入をくり返し、同様に採血し注入の影響を検討した。その結果採血データに異常値は認められず、注入終了時の剖検にても組織学的にも変化は認められなかった。この結果からアセチルシステインの慢性毒性は認められず、胆石溶解剤として直接胆道内注入より、効果が期待できると考える。 アセチルシステインはムチン溶解作用を応用した新しい胆石溶解剤として臨床応用可能な薬剤と考えられる。
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