本年度、ラット脊髓損傷モデルの作成を行った。 (材料および方法)体重約200gのSDラット30匹を10匹ずつ3群に分けた。A群では、ケタラール麻酔下にTh1から6まで椎弓切除を行い、Th3のレベルで双極電気凝固摂子により脊髓を電気凝固した。B群では、A群と同様にTh1から6の椎弓切除を行い、5グラムの分銅を30センチメートルの高さよりC3レベルの脊髓上に落下させた。C群では、Th1から6の椎弓切除を行い、液体窒素に浸した摂子でC3のレベルの脊髓をはさんだ。術後、下肢の運動機能を観察した後、ペントバルビタール腹腔内注入し、脱血屠殺した。脱血の際、左心室より2.5%グルタルデヒドを含んだリン酸緩衝液を注入し、灌流固定した。脊髓を取り出し、光顕および電顕的に組織の検討を行った。 (結果)運動機能の障害はC群が最も著明であり、B群が最も軽度であった。病理学的にもC群の障害範囲が最も広かった。B群では、神経症状は様々であり、一定した運動機能障害が作成できなかった。今後、C群を用いて様々な薬剤の影響を検討する。
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