研究課題/領域番号 |
04807105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中原 治彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10198179)
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研究分担者 |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
木村 友厚 大阪大学, 医学部, 講師 (80167379)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 骨膜細胞 / 骨 / 軟骨 / 分化 / サイトカイン |
研究概要 |
骨膜細胞の骨軟骨細胞分化機序について、(1)クローナルに個々の細胞の有する分化能および(2)分化過程における種々のサトカインの作用につき検討した。方法としては、アガ-ゲル中に骨膜細胞を単一細胞として封入して培養し、形成されたコロニーの形質を骨あるいは軟骨特異的な抗体を用いてレーザー顕微鏡下に観察し評価した。この結果、骨及び軟骨のコロニーが封入細胞数のそれぞれ数パーセントずつ形成され、さらにTGFbetaは濃度依存性に軟骨コロニーの出現率を増加させ、コロニー形成のタイムコースを早め、逆に骨コロニーの出現率を低下させた。以上から、骨膜を構成する細胞の中には、すでに骨芽細胞あるいは軟骨細胞に分化すべくcommittmentを受けた細胞が存在すること、およびTGFbetaは軟骨細胞前駆細胞に作用してその増殖と分化を促進することが明らかとなった。また、骨軟骨細胞に分化する骨膜細胞高密度培養系において、TGFbetaおよびBMP-2の作用を検討した結果、TGFbetaは軟骨形成を促進し、骨形成を抑制し、BMP-2は骨形成に促進的に作用することが明らかとなった。骨膜を構成する細胞は骨折治癒過程において骨軟骨細胞へと分化し、仮骨の重要な供給源となることが知られているが、上記の実験系は骨折治癒時の骨膜由来の外仮骨形成過程を反映するモデルであると考えられ、TGFbetaおよびBMP-2が骨折治癒の際に骨膜細胞に作用し仮骨形成を制御する因子である可能性を示唆するものである。
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