研究課題/領域番号 |
04807111
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐藤 暢 鳥取大学, 医学部, 教授 (10031949)
|
研究分担者 |
佐々木 晃 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (60243391)
津田 一男 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (00163808)
斎藤 憲輝 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (40116330)
|
キーワード | 脳死 / 脳死の判定 / 無呼吸テスト / 厚生省竹内班基準 / 酸素吹送法 / 高炭酸血症 / Apneic oxygenation(無呼吸酸素化) |
研究概要 |
平成4年5月から平成5年3月の間に当院集中治療部と高次治療病棟に入院した脳死と考えられる患者9人において、2種類の無呼吸テストを行い経時的にパイタルサイン、動脈血ガス分析、気管内ガス濃度を測定した。1回目の脳死判定は厚生省研究班の竹内基準(1985年)にそって無呼吸テストはO_2insufflation法(A法)で行い、6時間以上経過後2回目の脳死判定を行った。2回目の無呼吸テストは、apneic oxigenation(Frumin 1959)法(B法)で行えるように特製のアダプターを気管内チューブに接続した。データーの測定は、無呼吸テスト開始直前、1分後、3分後、5分後、7分後、10分後に行った。 どの患者においても10分間に自発呼吸の認められたものはなく、不整脈が見られることはあったが、中止するほど危険な状態にはならなかった。無呼吸テスト開始前のPaCO_2はA法で49±9mmHg(mean±SD)、B法では49±7、10分後はA法で86±16、B法で91±20と両群ともに増加した。PaO_2開始前A法で382±141mmHg(mean±SD)、B法では304±160、10分後はA法で303±152、B法で242±156と両群ともに低下した。収縮期血圧は開始前A法で107±37mmHg、B法で112±32、10分後はA法で95±33、B法で86±26であった。心拍数は開始前A法で103±24、B法で109±31、10分後はA法で100±21、B法で106±26であった。気管内ガス組成については、吸入気酸素濃度、呼気終末炭酸ガス濃度ともにサンプリングの位置とinsufflation法の酸素投与チューブとの関係など結果を修飾する因子が多く、さらに考察を要する。 現段階ではA法、B法2群間の比較検討には、A法と6時間以上経過後のB法施行時における対象患者の全身状態悪化の影響が排除できない。2群間の条件の偏りを少なくするために、引き続きA法とB法の順序を逆にした測定を行う必要があると考えられる。
|