平成5年度はラットの肺胞II型細胞の培養細胞を用いて、絨毛羊膜炎においで誘導される各種サイトカイン(血小板活性化因子が最も考えられる)で直接肺胞II型細胞を刺激しサーファクタントの生成が促進される可能性を追求する予定であった。しかし、細胞の培養が期待どおりに行かず、かわりに肺切片の培養系を用いることにした。現在まで予備実験として、肺サーファクタントの放射性活性をもつ前駆物質の肺サーファクタントへの取り込みを検討した。その結果、30分から3時間の培養において前駆物質の取り込み直線的に時間とともに増加することが確認された。今後はこの肺切片培養系を用いて以下の実験を行なう予定である。すなわち、妊娠家兎を用い、絨毛羊膜炎のモデルとして細菌の培養抽出液あるいはエンドトキシンを母体に注入して肺成熟促進作用を検討し、さらに好中球から放出される種々のサイトカインとともに培養し、細胞での肺サーファクタントの生成の検討を行ないたい。
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