研究課題/領域番号 |
04807122
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渋沢 三伸 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20143563)
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研究分担者 |
舩木 フキ子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (90156943)
菊池 吉晃 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (50134739)
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キーワード | 音声言語機能 / 感覚と運動の統合障害 / 機能的側性化 / 声帯運動 / 後輪状披裂筋 |
研究概要 |
音声言語機能における感覚と運動の統合障害の機序を研究する手がかりとして、障害例について喉頭運動の解析を行なった。疾患例は、けいれん性発声障害であった。方法はファイバースコープを使って語育生成時の声帯運動をビデオ記録し、発声を意図して声帯が内転してくる際の両声帯によって作られる開大度の変化を測定し、正常とのちがいを表現した。その結果、特に無声破裂音(今回は特に1Kel)生成時に正常とね顕著な差異が証明された。この声帯運動の異常は、構音器官相互の運動調節障害も関与していると考えられ、現在でも原因不明とされているこの疾患が、音声言語中把における機能障害として考えられることを示した。次に、音声言語機能における感覚と運動の統合障害を脳機能の側性化の障害としてとらえる立場から次下の研究を行なった。方法は上〓のけいれん性発声障害の声帯運動調節異常の研究で用いた方法と同様である。はじめに正常例について検討した。ここで根本的問題として浮上した問題は、運動の左右差を測定する場合の基準の設定における困難であった。したがって今回は、直接に左右差を表現することは今後の問題とし、まず左右どちらかの声帯が麻痺およびその手術的治療により運動性を全く消失した例について、麻痺側の声帯と基準として、健側の運動を観測の声帯を基準として、健側の運動を観測する方法を用いた。麻痺側の声帯が、健側の声帯の運動に影響をおよぼすことは考えられるが、今回は麻痺の出現後も健側の運動パターンには重大な変化はおこっていないと仮定して検策を行なった、その結果石声帯と左声帯では、発声を意図して声帯が内転するさい、特に無声音の生成にさいして運動のパターン、運動時間などに明暸な差異のあることが証明された。無声音生成時には声門が一〓性に〓大する現象があり、声門開大は主として後過状披裂筋のはたらきによることから、特にこの筋を研究することにより側性化研究の一端が解明されると考えられた。
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