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1993 年度 実績報告書

ヒト唾液中の抗菌ペプチド、ヒスタチンの好中球機能の調節に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04807132
研究機関岡山大学

研究代表者

杉山 勝三  岡山大学, 歯学部, 助教授 (30032890)

キーワードヒト唾液 / ヒスタチン / 多形核白血球 / 過酸化水素 / 遊走能 / 貪食能
研究概要

1) 好中球からのH_2O_2産生:
モルモットあるいはヒト末梢血の好中球は無処置の培養プレート内で刺激剤の非存在下にH_2O_2を産生した。このH_2O_2産生は温度、pH及びCa^<2+>依存性であり、ヒスタチン類によって抑制された。
2) フィブロネクチン(FN)の好中球に対する影響:
無処置培養プレート内における好中球からのH_2O_2産生はプレートをFNでコートすることによって完全阻止された。好中球はFNコートのプレート上では、よく接着し種々の刺激剤によって、H_2O_2を産生した。
コラーゲンや血清アルブミンをコートしたときには接着及びH_2O_2産生は起こらなかった。
3) ヒスタチン類によるH_2O_2産生抑制:
FNコートのプレートにおける好中球のfMLP及びLPSによるH_2O_2産生はヒスタチン類によって濃度依存性に抑制された。しかしPMAによるH_2O_2産生は抑制されなかった。ヒスタチン類はLPSとは直接的に結合して抑制するが、受容体を介するfMLPの場合には受容体から細胞内情報伝達の過程にヒスタチンが作用するものと考えられる。
4) 好中球の遊走能及び貪食能に対する影響:
ヒスタチンはfMLPに対する好中球の遊走活性及びザイモザンの貪食に対しては抑制しなかった。
以上の結果は口腔内の好中球に対してヒスタチン類は、その遊走や貪食には影響しないが、細胞外へのH_2O_2産生に抑制的に働き、粘膜組織の恒常性の維持に役立っているものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sugiyama Katsumi: "High-performance liquid chromatographic determination of histatins in human saliva" J.Chromatography. 619. 306-309 (1993)

  • [文献書誌] Sugiyama Katsumi: "Anti-lipopolysaccharide activity of histatins,peptides from human saliva" Experientia. 49. 1095-1097 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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