研究課題/領域番号 |
04807134
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小松 正志 東北大学, 歯学部, 助教授 (10005069)
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研究分担者 |
安倍 敏 東北大学, 歯学部, 助手 (10222647)
工藤 義之 東北大学, 歯学部, 講師 (10195464)
遠藤 達雄 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20168826)
笹崎 弘己 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90133991)
奥田 礼一 東北大学, 歯学部, 教授 (80005024)
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キーワード | 光重合ワックスパターン / パラフィン / ミツロウ / カルナウバワックス / Bis-GMA / 可視光線 / 強熱残分率 / 加熱膨張率 |
研究概要 |
常温ではペースト状で、圧接が非常に簡単で、歪の発生、変形が少なく、しかも彫刻性の良い光重合ワックスを試作し、その物性、鋳造性を研究することを目的として以下の研究を行った。 1.高粘度光重合ワックスの試作 Bis-GMAとパラフィン、ミツロウ、カルナウバワックス、セレシン、ダンマル等を種々の割合で混合したものに光増感剤、還元剤を加えた、常温ではペースト状で、470nm波長の可視光線を照射すると硬化する光重合ワックスの試作に成功し、操作性に優れた処方例を選別した(試作品番号526-2)。 2.硬化前後で色調の変化する低粘度光重合ワックスの試作 Bis-GMAとカルナウバワックスを一定の比率で混合したものに、光増感剤、還元剤を加え、さらに光感応性の色素を微量添加することによって、470nm波長域の可視光線を照射すると、薄緑色から橙色に色調が変化し、硬化する低粘度光重合ワックスの試作に成功した(試作品番号4928-1)。 3.光重合ワックスの物性研究 1)強熱残分試験 ワックス約1gを23±2℃から10℃/分で加熱して、500℃で1時間保ったのち、残分(%)を計算して求めた。その結果、GCブルーインレーワックス、松風レッドインレーワックスはいずれも0.000%(n=4)であったのに対し、526-2は0.018%(n=5)、4928-1は0.174%(n=6)、サンメディカル社製ラピッドパターンは0.063(n=6)、同モデリングリキッドは0.080%(n=6)であった。 2)加熱膨張試験 6.35mm平方、長さ267mmの角柱型の試験片に標点を付け、25℃の水中に20分間保持したのち、標点間距離を測定し、徐々に温度を30、37、45℃に上昇させ、各温度の水中に20分間保持してから、標点間距離を測定し、それぞれの温度における25℃の長さに対する膨張率(%)を求めた。その結果、GCブルーインレーワックス、松風レッドインレーワックス、526-2、4928-1の30℃における熱膨張率は0.120、0.116、0.096、0.120%、37℃のそれは、0.377、0.322、0.256、0.258%、45℃のそれは、1.030、0.919、0.561、0.454%であった。 今後は更に、加圧短縮試験、収縮率測定、引掻硬さ試験等の物性試験を行うとともに、鋳造体をIn Vitro、In Vivoで試作し、その適合精度の測定を行い、光重合ワックスの実用性を確認する予定である。
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