研究課題/領域番号 |
04807150
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野田 忠 新潟大学, 歯学部, 教授 (00013970)
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研究分担者 |
佐藤 拓一 日本学術振興会, 特別研究員
大島 邦子 新潟大学, 歯学部, 助手 (80213693)
石倉 優香 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (60232279)
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
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キーワード | 偏性嫌気性菌 / Eubacterium / 口腔細菌叢 / 感染根管 / 乳歯 / 小児 |
研究概要 |
乳歯の根尖病巣を形成した感染根管歯を有する患児6名を被験者とし、その被験者の病巣から試料を採取し、我々が確立した厳密な偏性嫌気性菌取り扱い技術を応用して、病巣の優勢菌276株を分離同定して細菌構成を調べた。その結果、この病巣で圧倒的多数(91%)を占める細菌が、偏性嫌気性の菌種であり、その分離菌種は、従来の報告と大きく異なることが明らかとなった(Microbial Ecology in Health and Disease6巻6号 269-275頁1993年)。これらの偏性嫌気性菌は、培養等の取り扱いが困難で、従来の研究では検出されずに無視されていたと思われる。小児の口腔内へは、従来、好気的な細菌から侵入・定着し、増齢と共に偏性嫌気性菌が増えて来ると考えられていた。しかし、本研究の結果、嫌気グローブボックスを含む偏性嫌気性菌取り扱い技術を応用することによって、比較的低年齢の小児の感染根管内の細菌叢が主に偏性嫌気性菌によって構成されていることが明らかとなった。また、これら一連の細菌学的研究で明らかになった病巣の主たる細菌菌種が、成人の感染根管病巣や歯周ポケットから分離される菌種と類似していたため、これらの小児の感染病巣細菌も、生体に対して種々の為害作用を及ぼしていることが予想される。これらの感染病巣細菌が実際に全身にどのような影響を及ぼしているか、早急に検討する必要が生じてきた。したがって、平成6年度は前年度に引き続き、細菌学的分析で明らかになった病巣中の優勢菌に対する抗体、免疫担当細胞の種類と量を分析する予定である。
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