研究概要 |
1、^<45>Ca^<2+>を用いたCa^<2+>efflux実験では、通常十分なインスリン分泌をもたらすアルギニンを刺激分質として用いても、Ca^<++>effluxは全くもたらせなかった。一方、ブドウ糖刺激によるCa^<2+>effluxは充分に惹起されるので、両刺激は、全く異なる機序にてインスリン分泌を引きおこす事が判明した。しかし、この実験ではwhole isletsを用いて行っているので、グルカゴンを分泌するA細胞の、B細胞(インスリン分泌)への影響を無視できない。現在、腫瘍細胞系を用い、B細胞のみの反応も検討中である。 2、アルギニンバゾプレシン(AVP)がCa^<2+>を介して(C-AMPではない)、インスリン分泌を惹起する事は既に報告した。しかし、この事実は、単離isletsでは、完全に再現できていない。おそらく、AVPによる血管収縮も大きな影響(膵潅流では血管を介して刺激が到達)を及ぼしていると考えられる。今后、V_1-antagonist,V_2-antagonistを用いた実験を行いたい。又、アンギオテンマンIIに関しても、同様な実験を進行中である。 3、糖尿病自然発症ラット(BBラット)にて、発症数日前に、インスリン分泌が低下する事、膵島炎がおこる事がわかっているが、この時点で、H_2O_2産生が増加している事が判明した。今后さらに追求してゆく。
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