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1992 年度 実績報告書

抗糖鎖抗体の正常血液細胞および白血病細胞への反応性と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 04807178
研究機関自治医科大学

研究代表者

室井 一男  自治医科大学, 医学部, 講師 (50190939)

キーワード糖鎖 / CD34 / 白血病
研究概要

1.sialyl-Le^xについて。
(1)sialyl-Le^xは、健常人骨髄のCD34陽性細胞(造血幹細胞)には発現せず、CD34陽性骨髄性白血病芽球に高率に発現していることを見いだした(Blood,1992;Leukemia,1993)。最近、sialyl-Le^xは、IL-1等で刺激された血管内皮細胞に発現するELAM-1(endothelial-leukocyte-adhesion-molecule 1)のligandであることが判明している。骨髄性白血病芽球は、IL-1等のリイトカインを分泌することが知られているので、白血病芽球周囲の血管内皮細胞にはELAM-1が発現している可能性がある。その場合、sialyl-Le^xを発現したCD34陽性白血病芽球は、ELAM-1を介して内皮細胞に接着している可能性が推測された。内皮細胞等のstroma細胞と接着した白血病芽球は、安定した増殖を示し、また抗癌剤等の薬剤に抵抗性を示すかもしれない。
(2)sialyl-Le^xは、健常人のリンパ球には発現していないが、CD10陽性急性リンパ性白血病芽球に高率に発現していた。健常人骨髄CD10陽性細胞(B前駆細胞)におけるsialyl-Le^xの発現を検討したところ、健常人骨髄CD10陽性細胞はsialyl-Le^xを発現していることを見いだした(Leukemia Research,in press)。 sialyl-Le^xは、健常人CD34陽性造血幹細胞には発現していないので、B前駆細胞の段階で一時的に発現することが判明した。
2.sialyl-Tnについて。
最近、sialyl-Tnは、健常人骨髄CD34陽性細胞には発現せず、CFU-Eから赤芽球の分化段階までと、成熟B細胞と成熟T細胞の一部に発現していることが判明した。造血器腫瘍では、赤白血病、B細胞性悪性リンパ腫やB細胞性慢性骨髄性白血病、成人T細胞性リンパ腫白血病の細胞に発現していた。この抗原の役割は不明だが、何らかの接着因子として作用していることが推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Muroi Kazuo: "Reactivity profiles of leukemic my myeloblasts with monoclonal antibodies dilected to sialosyl-Le^x and other laclo-senestype 2 chain antigens : Absence of reactivity with rormal hemato poietic progenitor cells" Blood. 79. 713-719 (1992)

  • [文献書誌] Muroi Kazuo: "Expression of sialyl-Lewis^x in CD34-Positive heukemic blasts" Leukemia. 7. 336-337 (1993)

  • [文献書誌] Muroi Kazuo: "Expression of sialyl-Lewis^x on CD10-positive normal bone marrow cells" Leukemia Research. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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