研究課題/領域番号 |
04808011
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (60138972)
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研究分担者 |
深井 一夫 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60156734)
綿貫 茂喜 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00158677)
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キーワード | 心理量 / 生理量 / 温熱環境 / 個人差 / 不感蒸泄域 / 調節性発汗域 / 副交感神経系 / 交感神経系 |
研究概要 |
1.温熱指標と心理量との整合性(永村・深井)では、両者の関係を検討する上で障害となる項目が個人差にあることをつきとめた。続いて、温熱環境での個人差を表現しうると思われる心理的「暑がり」「汗かき」と生理量である発汗量との関係を探って、心理量と生理量の対応を個人差も含めて関連づけることができた。この実験結果によれば、従来の2ノード・モデルで計算される発汗量は、不感蒸泄域で「汗かきでない」普通体質の、調節性発汗域で「暑がり」な「汗かき」体質の人体の発汗量を、それぞれシミュレートしていることが示された。また、室内の温熱環境の不満率を指標にした快適性の評価基準においては、高温側の夏期推奨値である28℃でみると「暑がり」な「汗かき」体質と普通体質とでは、不満率にして30%以上の乖離が予測され、本研究に基づく、体質差を考慮した環境基準の提案といった、あらたな指標づくりの必要性が確認された。 2.心理反応と整合性をもつ生理指標の抽出(綿貫)では、心理的快と不快との関係は、生理的には副交感神経系優位から交感神経系緊張への状態遷移であると仮定し、各神経系の賦活の程度を示すとされる心電図のパワースペクトルと心理反応の関連づけを行った結果、心電図をもとにしたRR間隔のパワースペクトルの特定周波数域の積分値が、温冷感の遷移状況と対応することを見いだすことができ、快適域から「やや寒い」という不快域までの変化で交感神経系の活動があきらかになり、それ以降の「寒い」という不快域では自律神経系全体の関与があることをつきとめた。
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