研究課題/領域番号 |
04808019
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
橋本 公雄 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (90106047)
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研究分担者 |
斉藤 篤司 九州大学, 健康科学センター, 講師 (90195975)
高柳 茂美 九州大学, 健康科学センター, 助手 (80216796)
徳永 幹雄 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90038464)
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キーワード | 快適自己ペース走 / 感情 / 精神的健康パターン / 心理生理学的研究 / ストレス低減 / 一過性の運動 |
研究概要 |
本年度はストレス度を測定する「精神的健康パターン診断検査(SCL-7:Stress Check List)のさらなる改良を試みるとともに、一過性の運動による感情の変化を心理・生理学的見地から調べた。 筆者らが開発したSCL-7尺度はストレス概念にQOL概念を導入し、「はつらつ型」「ゆうゆう型」「ふうふう型」「へとへと型」の4つの精神的健康パターンをみるものである。SCL-7尺度得点とストレッサーの認知的評価に影響すると思われるタイプA行動パターンと性格特性(Y-G)との関係を大学生を対象として分析した。その結果、冠状動脈心疾患の危険因子と考えられているタイプA行動パターンをとる者や情緒的に不安定な者ほどストレス度が高くなることが分かった。 15分間の快適自己ペースによる一過性のトレッドミル走を行い、感情の変化と運動強度を調べた。運動後に快感情、満足感の有意な増加がみられ、回復期(30分後)においても運動前より有意に高いレベルを維持していた。リラックス感は運動直後より回復期の方がさらに増加することが分かった。これらのことから、運動によってなぜストレスが解消されるのか、その原因は運動後の気分の高揚感と関係し、気分が“ハイ"になることによって、ネガティブな感情が抑制されるためと推察された。 また、快適自己ペース走の運動強度は、平均60%VO_2maxの中等度強の運動強度であることがわかった。生化学的分析から、カチュールアミン値、乳酸値は運動前に比べ、約2.1倍有意に増加していることがわかった。また、その運動強度を規定している心理的変数として、タイプA行動パターンや、積極的性格があげられ、積極的な者ほど運動強度は強くなることがわかった。
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