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1992 年度 実績報告書

P-フラビンが結合した発光細菌ルシフェラーゼに関する研究(P-フラビンの生成機構および酸素添加反応の解明)

研究課題

研究課題/領域番号 04808025
研究機関大阪市立大学

研究代表者

笠井 佐夫  大阪市立大学, 工学部, 助教授 (90047340)

研究分担者 仲矢 忠雄  大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047048)
キーワードルシフェラーゼ / 細菌ホロルシフェラーゼ / P-フラビン / NAD(P)H / NAD(P)H酸化還元酵素 / モノオキシゲナーゼ
研究概要

発光細箘V.harveyiのルシフェラーゼ遺伝子を導入した形質転換大腸菌からルシフェラーゼをDEAEセルロースカラムを用いて精製した。従来、細菌ルシフェラーゼは補因子の結合していない単純蛋白であるとされてきたが、精製したルシフェラーゼにはFMNおよびおそらくもう一つの補因子が結合しており、これをホロルシフェラーゼと命名した。本ホロルシフェラーゼに基質としてテトラデカナールを加えただけでは発光しないが、さらにNAD^+を加えると発光反応が進行することを発見し、その際P-フラビンが生成することを確認した。一方、ホロルシフェラーゼにテトラデカナールおよびNADHを加えるとNAD^+の場合よりはるかに強い発光がみられた。これらの結果は細菌ルシフェラーゼが発光反応を触媒するモノオキシゲナーゼであると同時に、NAD(P)H-FMN酸化還元酵素であることを示している。
先に述べたようにホロルシフェラーゼにはFMN以外に補因子が結合していると考えられるが、吸収スペクトルから本補因子は非ヘム鉄ではないかと考え、ホロルシフェラーゼ中の鉄含量をICP発光分析法によって定量したところ、痕跡量の鉄が検出されたに過ぎなかった。したがって、本補因子は新規の低分子化合物と考えられ、その構造決定は興味ある研究対象と考えている。
ホロルシフェラーゼにはNAD(P)H-FMN酸化還元活性があるので従来NAD(P)Hの発光法による定量には細菌ルシフェラーゼ以外にNAD(P)H-FMN酸化還元酵素を必要としたが、ホロルシフェラーゼを用いることにより本酵素単独でNAD(P)Hの定量が可能となったことは本研究で得られた成果の内特筆すべきものである。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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