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1992 年度 実績報告書

初期発生時の転写調節とsignal伝達に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04808026
研究機関北里大学

研究代表者

大槻 建造  北里大学, 衛生学部, 助教授 (60124559)

研究分担者 斉藤 準  北里大学, 衛生学, 学術振興会奨励研究員 (60221991)
大石 正道  北里大学, 衛生学部, 助手 (40233027)
杉井 俊二  北里大学, 衛生学部, 講師 (70162865)
キーワードカゼインキナーゼII / 特異リン酸化タンパク質 / 転写調節 / 転写調節因子 / signal伝達機構 / 受精 / 初期発生
研究概要

本研究は、受精時の転写調節とsignal伝達に関する研究を行っている。平成4年度において、本研究目的に合致する受精時に特異的に活性化されるProtein Kinaseによって特異的にリン酸化される分子量98KDa DNA結合性polypeptide(p98)の初期発生における生理的役割について解析した。その結果、(1)p98を特異的にリン酸化されるキナーゼはカゼインキナーゼII(CK-II)であることが同定された。さらに(2)p98は各種卵(ウニやカイユガ卵)からCK-IIの特異基質として単一polypeptideにまで精製された。この精製p98について解析したところ、(a)等電点が10.0の塩基性palypeptideでdimerを形成していること、(b)CK-IIによってのみ特異的にリン酸化されること、(c)精子プロタミンやウニ精子ヒストンH213はCK-IIによるp98のリン酸化を著しく促進させること、(d)CK-IIによってリン酸化されたp98はDNAのエンハンサー部位に結合すること、さらに(e)p98は卵のみならず精子にも同一polypeptideとして存在していることなどが明らかになった。これらの研究結果は、受精直後精子プロタミンやヒストンH^2BによってCK-IIが活性化され、その結果p98がリン酸化される。リン酸化されたp98は転写開始に重要な生理的役割を発現することが明らかになった。
一方、P98の一次構造の解析から、本polypeptdeはHeat schock Protein(Hsp-90)と極めて相同性の高いpolypeptideであることが明らかになった。Hspは、CK-IIによってリン酸化されて生理的に活性化さりることが知られているのでp98の場合と一致する。さらにp98にはp54とp34のpolypeptideが結合しているので、これらのpolypeptideの生理活性とsignal伝達における生理的相互関係について現在解析を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ohtsuki,k., Oh-Ishi,m.and Nagata,N.: "The stimulatory and inhibitory effects of glycyrrhizin and a glycyrrhetinic acid derivative on phosphorylation of lipocortin I by A-kinase in vitro." Biochen.Internatl. 28. 1045-1053 (1992)

  • [文献書誌] Kanno,S.,Mizugaki,M.,Maruyama,T.and Ohtsuki,K.: "Selective purification of two distinct protein kinases from the membrane fraction of mouse brain by NED-affinity column chromtography." Kitasato Arch.Exp.Med.65. 1-11 (1992)

  • [文献書誌] Ohtsuki,K.,Matsumoto,M.,Saito,H.and Kato,T.: "Characterization of casein kinaseII,and of p98 as one of its effective phosphate acceptors in sea urchin eggs." J.Biochem.113. 334-342 (1993)

  • [文献書誌] Ohtsuki,K.and Kato,T.: "The biological significance of specific phosphorylation of p98 by casein kinaseII in the development of embryogenesis." Abstract 5th International Congress on Cell Biology (Spain,July2-31,1992). 28- (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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