まず一般論に先立って既存の列車ダイヤにおける停車パターンを分類・整理して、これを旅客流動(OD交通量)との関係で評価した。典型的な停車パターンとして、(1)各駅停車、(2):選択停車:(3):主要駅停車、(4):直行、およびこれらの組合せとしての、(5):千鳥停車、(6):(1)+(3)の緩急結合、(7):(1)+(4)または(3)で通過追越しの緩急分離、(8):地域分離をとりあげ、これらのパターンが最も合理的であるODの特徴を求めた。(1)は、利用駅間数が少なく、駅による需要の差が小さい都心部型、(5)は、駅による需要差が少なく、利用駅間数は多く、高密度運行が必要な場合、(6)は利用駅間数が多く、高速輸送が必要な場合、(7)は、特定少数駅間の需要が多い都市間輸送等に、(8)は都心との間のODが支配的な郊外対都心輸送に適している。 評価のためのOD、ダイヤ、乗客の振舞いを与えて、乗客の割付けを詳細に行うプログラムは完成に近づき、デバッグ中の段階である。 一般論としては、ミクロな観点からは、停車による待ち時間の減少と通過客の所要時間の増加とのバランスを保つ考えから、駅毎に乗降客と通過客との比(実際にはより詳細に降車比と乗車比という概念を導入)を算出して、停車必要度を求め、これが大きい駅ほど全列車に対する停車列車比率を大きくし、列車毎のバランスを保つ方式を提案した。列車比率を大きくし、列車毎のバランスを保つ方式を提案した。 マクロな観点からは、列車を高密度に配置できる停車パターンを整理し、列車毎に異なる停車パターンの最適列車配列を求めた。 このミクロ・マクロな議論を結合する場合、列車毎の混雑率と駅毎の停順時隔に大きな差が出ない配列が必要であることが明らかになったが、これらを総合的に自動生成することに関しては、現在ケーススタディーを進めている段階であり、本格的な成果は得られていない。
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