自動車の排ガス処理装置の触媒担持用材料として使用されているセラミック製多孔質体を用い、厚さを6〜10mmの範囲で8種類に変え、また6種類の細孔寸法(相当直径)のものについて消炎実験を行った。 まず火炎抑止器(フレームアレスター)への火炎突入速度および熱焼管(伝播管)全体にわたっての火炎伝播挙動を自動的に記録・計算するためのパソコンシステムの導入を試み、実験への使用を可能とした。 次いで消炎実験により、主に消炎性能に及ぼすアレスター寸法の影響について検討し、次のような結論を得た。 1.消炎性能はアレスターへの火炎突入速度により整理できることを明らかにした。これは、いままで実験を行った金網型アレスターおよびクリンプリボン型アレスターの場合と同様である。本研究ではアレスターの消炎性能を、アレスターで消炎されず通過した火炎のアレスター突入速度のうちの最低値で評価することとした。 2.セラミックアレスターでは、相当直径が小さくなるほど消炎性能が向上するが、その向上の度合は相当直径が2mm以下になると急激に大となる。 3.アレスターの厚さが増加するにつれ消炎性能が大となるが、相当直径が2mm以上では厚さの影響は少なく、2mm以下では非常に大となる。 4.アレスターの相当直径、厚さが同じ場合でも、開口率が消炎性能に影響を及ぼし、開口率が大きいほど消炎性能が大きい。
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