研究概要 |
本年度は,道路と橋梁という二つのタイプの異なる基盤整備計画について,基礎的調査と計画案作成の支援システムのプロットタイプの開発研究を行った. 1.基礎的調査研究:道路に関しては,整備水準と満足度調査,道路整備五ヵ年計画の作成プロセスの実態調査を行い,満足度からみた公平性に加え,地域のキャッチフレーズとの整合性の評価の支援の必要性を明らかにした.橋梁については,基本台帳の整理,維持・管理・架け変え計画の作成プロセスの実態調査を行い,公平性と信頼性評価の支援の重要性を明らかにし,信頼性評価の規定要因となる液状化の調査と研究の整理も行った. 2.プロットタイプの開発研究:まず,i)問題の明確化,ii)規定要因による代替案の個別評価,iii)代替案の順位付け評価,iv)その結果の数値化,の4つのプロセスよりなるコンピュータ・エイディドな基本システムを開発した.特に,支援の基礎となるi)のプロセスについては,メニュー化とマルチウイドウ化によるかなり効果的な支援サブシステムが開発でき,実用化の目処がえられた.次に,上記の基本システムを適用し,道路整備と橋梁維持・管理計画について,それぞれ整備計画作成の支援実験を行った.橋梁については,地域全体の橋梁について検討できること,力学的信頼性評価でも危険とされている橋梁については整合性のある結果が得られるという意味で,公平性と信頼性のある支援が可能であった.しかし,地域のキャッチフレーズとの整合性,即ち独自性の評価が重要になる道路については,このシステムでは不十分で,AHP法を援用したシステム開発が必要であることが判明した.そのために,次年度の研究計画では,このシステム化を追加することにした.
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