研究概要 |
本年度は、昨年に引き続きロードサーベイメータによる水利用調査を実施するとともに、開発途上国での調査をまとめ、水資源、水利用政策策定基準を検討した。 (1)ロードサーベイ調査 松山市の協力をえて実態調査をおこなった。使用目的別に継続調査をおこない、家庭毎の原単位水量を算定した。この結果を統計的にまとめ、非超過確率曲線で表し、その曲線の特性から、ライフスタイルの多様性と変化の可能性を推定する方法を提案した。とくに、個々の家庭間で差の大きな使用目的が,今後の需要動向を支配する可能性が強いと判断できた。 (2)開発途上国の実態整理 本年度、ネパールにおいて水利用実態調査(ヒアリング)が実施できたので、過年度の調査とあわせて、環境制約や社会変化と水利用との関係を整理し、わが国での政策策定の参考とした。 (3)政策策定基準の考え方整理 政策策定には、水利用、水資源開発双方に対する国民および関係者の合意形成が必要である。調査結果の解析から、合意形成に必要なライフスタイルと水利用との関係を表すメニューを提示するとともに、そのメニューの実施に必要な政策的誘導方策を示すことができた。このことは、同時に水資源開発の合意形成にも適用できることがわかった。
|