cdkの活性は燐酸化、脱燐酸化によって制御されていると考えられる。特にcdc2キナーゼはN末から14番目のトレオニン、15番目のチロシン残基の燐酸化により活性が抑制され、逆に161番目のトレオニンの燐酸化はこの活性に必須である。この161番目のトレオニンを燐酸化する酵素としてアフリカツメガエルのp40^<MO15>が確認された。このp40^<MO15>にホモロジーが高い遺伝子としてライスから単離されていたcdkの一つR-2遺伝子が存在した。そこでこのライスR-2が燐酸化酵素活性を持ち、cdc2キナーゼを活性化をできるかどうかを検討し、CAK(cyclin dependent kinase activating kinase)の構造上の一般性を明らかにすることを目的とした。まず大腸菌で発現させたライスR-2の燐酸化酵素活性を調べたところ、HeLa細胞中のcdc2キナーゼをサイクリンB存在下で活性化することができた。さらにマウスからp40^<MO15>とcdc2キナーゼのホモロジーの高い部分をプローブにしてp40^<MO15>のホモログを単離した。このマウスCAKはp40^<MO15>とアミノ酸レベルで83%の騒動性相同性を示した。これらCAKはいずれもcdc2キナーゼのPSTAIRE配列部がNXTALREでありこの配列がCAKの特徴である可能性が強く示唆された。
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