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1992 年度 実績報告書

高次神経系におけるカルシウム依存性情報伝達調節因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04833022
研究機関東邦大学

研究代表者

高松 研  東邦大学, 医学部, 助教授 (90154898)

キーワードカルシウム結合蛋白質 / EFハンド / ミリスチン酸 / 海馬 / リカバリン / ヒポカルシン
研究概要

中枢神経系の神経細胞に特異的に存在するカルシウム結合蛋白質を見い出し,ラット脳より分離,精製した。電気泳動上の分子量は23000,等電点は51で,分子当り2分子のカルシウムを解離定数0,2および13μMで結合,アミノ末端は脂肪酸で修飾されていた。蛋白質分解酵素断片についてアミノ酸配列を決定したところ,EFハンド構造を持つカルモジュリンスーパーファミリーに属するカルシウム結合蛋白質で,網膜視細胞で光受容の感度調節を行っているリカバリンやS‐モジュリンと高い相同性を示した。そこで部分アミノ酸配列をもとに,脳cDNAバンクよりcDNAクローニングを行ったところ,2種類の相同性の高いクローンが得られた。1つのクローンについて,アミノ酸コーディング領域の全塩基配列を決定した。195個のアミノ酸残基よりなり,計算分子量21,600,3個のEFハンド構造とアミノ末端のミリスチン酸修飾の共通配列を有していた。mRNAはノーザンブロットから約2kbで,中枢神経系に特異的に分布し,中でも海馬に著しく発現していた。さらに大腸菌で発現させた蛋白質を用いて特異抗体を作製し,蛋白質の発現分布をイムノブロットで検討したところ,mRNAと同様に海馬に著しい発現を認めた。そこでこの蛋白質をヒポカルシンの命名した。海馬において,刺激受容に伴って増加する細胞内カルシウム濃度を感知して,刺激に対する反応性を調節している可能性が考えられ,標的酵素の検討を行っている。また同時に得られたcDNAクローンについても,塩基配列の決定など解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takamatsu K. and Uyemura K.: "Identification of recoverin-like immunoreactivity in mouse brain." Brain Research. 571. 350-353 (1992)

  • [文献書誌] Takamatsu K. Kitamura K. et. al.: "Isolation and characterization of recoverin-like Ca^<2+>-binding protein from rat brain" Biochemical Biophysical Research Communication. 183. 245-251 (1992)

  • [文献書誌] Kawamura,S. Takamatsu,K. et al.: "Purification and characterization of S-modulin, a calciumdependent regulator on cGMP phosphodiesterase in frog rod photoreceptor." Biochemical Biophysical Research Communication.186. 411-416 (1992)

  • [文献書誌] Takamatu K. Kobayashi M. et al.: "Immurohistochemical localization of recoverin-like Ca^<2+>-binding protein(P23K) in mouse brain" Acta Histochemica et Cytochemica.25. 533-536 (1992)

  • [文献書誌] Kobayashi M. Takamatsu K. et al.: "Molecular cloning of hippocalcin, anovel calcium-binding protein of the recoverin family exclusively expressed in lippocampus." Biochemical Biophysical Researdh Communication. 189. 511-517 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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