非特異的脂質移送蛋白質(nsL-TP)と交叉反応を示す60KD成分、およびnsL-TPの細胞内局在と機能について研究し、次の結果を得た。 1).先ず二種の抗60KD、蛋白抗体を作製した。その一つは60KD成分のN末端側phe^<181>-Ser^<205>ペプチドに対する抗ペプチド抗体で(anti+60k-2)、もう一つは2)β-ガラクトシダーゼ-60kD融合蛋白質(anti-βgal-60k)に対する抗体である。 2).これらの抗体を用い、ラット肝〓モジエネート、ペルオキシソーム画分、精製nsL-TPのウエスタンプロット分析を行った。その結果60kD成分のほかに45kD成分が検出されることが分った。 3).ラットの様々の組織のイムノブロット法による解析も行った。その結果、肝細胞からは60kD、45kD成分が検出されたが、網膜、腎、副賢小腸などからは45kD成分が主として検出された。 4).45kD成分が60kD成分の分解産物か、それとも交叉反応産物であるかが問題となった。 5).そこで45kDの精製を試みたが、現在のところ成功していない。 6).nsL-TPのラット網膜色素上皮細胞における局在をコロイド金法で調べ、nsL-TPはアイクロペルオキシソームのマトリックス中に多数先出されることが分った。しかもアシルCoAオキシターゼと共存することが分った。視細胞外節に多量存在するdocosaheraenoicacidのβ酸化をペルオキシソームは行っていると考えた。 7).Zellweger症候群やneonatal adrenoleu kodytrophyの患者の繊維芽細胞中ではペルオキシソームは形成されず、nsL-TPセカタラーゼは上清中に見出された。
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