研究課題/領域番号 |
04834009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際経済
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
大山 道広 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10051517)
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研究分担者 |
OOYAMA Michihiro Keio University, Professor (04834009)
OOYAMA Michihiro Keio University, Professor (04834009)
OOYAMA Michihiro Keio University, Professor (04834009)
OOYAMA Michihiro Keio University, Professor (04834009)
OOYAMA Michihiro Keio University, Professor (04834009)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 不完全競争 / 収穫逓増 / 国際貿易 / 一般均衡 / リカード・モデル / H.O.モデル / 販売競争 / 最適政策 |
研究概要 |
本研究は伝統的な国際貿易の基本的仮定を緩め、不完全競争、規模に関する収穫増大(ないし減少)といった現実的な諸要因を考慮しての再構築をはかることを目的とするものであった。不完全競争下の国際貿易に関する従来の研究はともすれば「不完全競争の下ではあらゆることが起こりうる」という不可知論におちいったり、部分均衡分析の枠内にとどまりがちであった。本研究では出来る限り一般均衡理論の視点に立ち、しかも伝統的貿易理論の成果を一般化して明確な結論を導くことを心がけた。その成果は次のようにとまめられる。第1に、不完全競争の諸要素を含む国際貿易の一般均衡モデルを構築し、(a)Ricardo-Mill、Heckscher=Ohlinなどの比較優位に基づく国際分業理論と(b)Graham=Ethier流の規模の経済性を根拠とする保護貿易理論を拡張し、再検討した。これに関連して、各産業の独占度が不変に保たれるという条件の下で、伝統的な自由貿易命題や比較静学分析がこのモデルの設定の下でも妥当することが確かめられた。第2に、労働市場が不完全競争の下にある(具体的には都市工業部門に労働組合が存在する)一般均衡モデルで、Manoilesco=Hogen、Harris=Todaro流の産業間賃金格差に基づく工業保護論を再定式化し、批判した。第3に、一般均衡理論では直ちには扱い難い新しい問題を提起するため、部分均衡モデルによる研究も行った。国際的な拡販競争、技術競争、産業内貿易に関する分析がそれに当たる。第4に、今後の展開への予備的研究として、不完全競争下の一国マクロ経済モデルを構築し、完全競争下の最適政策理論を定式化した。前者は不完全競争下の国際マクロ経済モデルに、後者は不完全競争下の最適政策理論にそれぞれ拡張されうるものである。
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