研究概要 |
(1)マグネシウムの酸化反応によって,酸化マグネシウムの煙が生じている雰囲気中に酸化シリコン粉末を投入すると,ガス中で起こる酸化反応の反応熱によって酸化シリコンの一部が蒸発し,マグネシウム,酸素酸化シリコンガスの反応によってフォルステライトの団体粒子が生成することがわかった。この実験法によって,新しい酸化マグネシウムの化合物の新たな合成方法が提案できた。 (2)惑星科学的にもう一つの重要な鉱物の一つはエンスタタイトであるが,この相は我々が以前薄膜と超似粒子の反応によってテトラテーナイトが生成できることを示したモデル実験を試みた。酸化シリコン膜上にマグネシウム超似粒子を乗せて,数百度に加熱することによって,マグネシウム原子の拡散反応によってエンスタタイトが生成することがわかった。この結果の一部は宇宙研の月・惑星シンポジウムで発表した。また,宇宙研発行の雑誌に掲載の予定である。その中にはテトラテーナイトの結果も含めて議論した。 我々の確立した透過電子類似〓法による超微粒子の合成の過程を調べる方法を、実験室で作った様々のカーボン粒子に適用し、カーボン粒子の遠赤外吸収が試料ごとに異なる原因が明らかにできた。それはマイクロクリスタリツトのサイズに依存することである。この結果の一部は宇宙研の月・惑星シンポジウムで報告し、宇宙研の雑誌に掲載の予定である。このように超微粒子の分析が惑星起源物質の研究分析に重要なことがわかり、新しい知見が得られつつある。
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