星間の塵、銀河円盤に集中する塵、惑星誕生の場である分子雲中の塵など、宇宙空間のあらゆる所に大きさ数十nmから数mumの固体粒子が存在し、塵こそ惑星の素材といえる。このような粒子を実験室で作る方法の一つとしてガス中蒸発法がある。宇宙科学の研究者とクラスターの研究者の共同実験で発見されたC_<60>分子が、ガス中蒸発法で作られるススの中に約10%含まれて、有機溶媒による抽出法が発見されて、非常なフィバーになっている。このような分子の分離・精製には種々のプロセスが含まれていて、非常に長時間を必要とする。 我々は新しい視点に立ってカーボン粒子を作ることを試み、C_<60>結晶が煙中で約60%含まれる条件を見い出した。また、集めた煙中に見られる結晶はC_<60>分子を面心立方格子状に配列した構造より成っていて、回折強度の異常はC_<60>分子が格子点のまわりに回転していることによるものであることを示した。電子顕微鏡法、X線回折法等によって上記のことを明らかにした。我々の開発した簡易アーク法に改良を加えてSiC超微粒子が生成できることを示し、alpha相はシリコンの多いときに、beta相はカーボンの多い時に生成することを示した。このような粒子中には積層欠陥があることを示した。従来の光学スペクトル解析の結果、試料によって値が異なる原因は欠陥に起因していることを示唆した。
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