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1992 年度 実績報告書

ニホンザルを用いたヒト加齢モデルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 04836013
研究機関京都大学

研究代表者

松林 清明  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (50027497)

研究分担者 石田 貴文  東京大学, 理学部, 助手 (20184533)
鈴木 樹理  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10175408)
キーワードニホンザル / 加齢 / オス生殖器 / GH / 染色体
研究概要

本研究では、ヒトの加齢現象研究の動物モデルとしてニホンザルの導入を目的に、ニホンザルの加齢現象に関する諸データを分子・細胞レベル、器官・組織レベルおよび個体レベルの三階層に分けて集積総合し集積し、モデルとしての有用性を検討した。
1.個体レベル:24時間連続採血によって代謝関連のGH,IGF-1の血中動態を調べ、加齢に伴う変化を解析した結果、GHではヒトと同様に思春期発動期に分泌のパルスが最く多くピーク値も高く、また、IGF-1でもヒトと同様にGHに比べ日内変動が小さく分泌が安定していた。
2.器官・組織レベル:特にオス生殖器に注目して分析を行なった結果、精巣・精巣上体重量は16歳以上になると減少に転じ、加齢と共に増加を続ける精嚢や前立腺と異なる。精細管内セルトリ細胞には、非繁殖期及び老年期にはリポフスチン顆粒が増加し、機能衰退を示す指標となり得る。同様に前立腺後葉には、加齢と共に前立腺石の蓄績が認められた。
3.分子・細胞レベル:長期培養下におけるニホンザルリンパ芽球様細胞の細胞増殖性・悪性化、加齢に係わる普遍的核型変化を検索した。その結果、次第に染色体数や形態に異常をきたす細胞が出現し、足場依存性検をしたところ、分離クローンはすべて#1染色体に同じ異常をもち、付加的に他の異常を持つものもあった。ヒト腫瘍において#1染色体の異常は高頻度に観察され、ヒトとニホンザルの#1はほとんど同相であるので、これらは細胞増殖・悪性化に関して普遍的なものかも知れない。
4.モデル化の可能性:このように、ニホンザルに於て加齢・老化にともなって生じる各レベルでの変化はヒトとよく似た傾向を示し、成長・加齢速度はヒトに比べ速いことから、ヒトの様々な加齢モデルとして用いることができ且つ短期間で研究結果を得られるというニホンザルの高い有用性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kisi,K.and Isida,T.: "Clastogenic activity of sodium fluoride in primate cells." Mutation Research. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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