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1992 年度 実績報告書

加齢に伴うTリンパ球のサブセットの変動と感染による修飾:各種インターロイキンの産生とそのmRNAの変化

研究課題

研究課題/領域番号 04836026
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

宇津山 正典  東京都老人総合研究所, 免疫病理部門, 研究員 (70167287)

研究分担者 倉島 知恵理  東京都老人総合研究所, 免疫病理部門, 研究員 (40161731)
広川 勝いく  東京都老人総合研究所, 免疫病理部門, 部長 (00014093)
キーワード加齢 / T細胞 / ナイーブT細胞 / メモリーT細胞 / 感染 / Trypanosoma Musculi
研究概要

加齢変化: 各年齢のヒトおよびマウスの末梢血中あるいは脾臓中のTリンパ球について膜表面抗原を用いフローサイトメトリーにて解析を行った。CD4陽性Tリンパ球サブセット(ナイーブおよびメモリーTリンパ球)に着目するとナイーブTリンパ球は加齢に伴い減少するのに反して、メモリーTリンパ球は加齢に伴い増加した。この結果はヒトもマウスも同ど結果であった。
感染時の変化: 老若齢マウスにTrypanosoma Musculi(T.m.)を腹腔内接種し感染モデル実験を行った。T.m.感染により脾腫を生じた脾細胞内では、CD4陽性Tリンパ球数の増加を認めた。感染に伴いCD4陽性Tリンパ球サブセットではナイーブTリンパ球の減少、メモリーTリンパ球の増加が認められた。この傾向をナイーブ/メモリーの比率で検討するとT.m.に対し抵抗性の弱い系統の若齢マウスで著明な減少を認め、抵抗性の強い系統のマウスでは減少の程度が鈍かった。老齢群では既にナイーブTリンパ球の減少が加齢変化として生じていることから若齢マウスのような大きな変化となって現れず、感染に対する生体反応も軽度であったが抵抗性は低下していた。一方、インターロイキンの産生能は感染後IL2産生能が著しく低下したがIL2/IL4の産生能比が必ずしもナイーブ/メモリーTリンパ球比を反映はしていなかった。ナイーブ/Th1タイプTリンパ球の数が多いこと、感染後の減少が少ないことが感染に対して抵抗性を示した。
以上の結果より、ナイーブ/Th1タイプとメモリー/Th2タイプTリンパ球の変動が加齢に伴う免疫機能の低下および感染症などの発生頻度の増加に関係しているTリンパ球の質的変化の一つであることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Utsuyama,K.Hirokawa C.kurashima: "Differental age-change in the numbers of CD4^+CD45RA^+ and CD4^+CD29^+ T cell subsets in human peripheral blood." Mechanisms of Aging and Development. 63. 57-68 (1992)

  • [文献書誌] K.Hirokawa,M.Utysuyama C.Kurashima: "Aging and Immunology." Acta Pathologica Japonica. 42. 537-548 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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