研究概要 |
本研究の目的は(P_κλ,⊂)の組み合わせ論的な性質を調べることで、特に順序数の対応する組合せ論的な性質と異なる性質が現れる場合に興味を持って取り組んでいる。順序数の場合の組合せ原理では◇_κ原理が成り立てば〓_κ原理が成り立つことがよく知られているが、この証明をP_κλの対応する組合せ原理の場合の証明に当てはめることはできない。このことを詳しく研究することでP_κλの部分集合に対して正則閉の概念を得た。さらに正則閉の概念から適当なstationaryの概念に到達した。これらの概念を用いてP_κλに新たな◇原理や〓原理を導入し,この◇原理が成り立てば〓原理が成り立つことを示した。特にκが後続基数だった場合、これらの組合せ原理は順序数の場合の組合せ原理の自然な一般化になっている。 渕野昌との共同研究において強制法によって付け加わる可壊なP_κλのstationary集合についての解析を行った。まず2段階の強制法に関して研究を行い、最初の強制法でP_κλのstationary集合を付け加え、次の強制法でその集合のstationarityを壊す強制法に関する研究を進展させた。 Natasha DobrinenとP_κλのstationarityに関する性質の調査を始めた。この共同研究ではr-stationaryや【greater than or equal】ν-stationaryやfat setなどの相異なる強さのstationarityが得られた。これらの性質の包括的な理論を構築するためにこれらの性質の間の関係を解析しており、"r-stationaryは【greater than or equal】ν-stationaryより真に強い"などの結果を得ている。
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