研究課題/領域番号 |
04F04080
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
萩原 一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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研究分担者 |
WANG L.R. 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | Modeling / Simulation / Power flow / Functional model / Block diagram / Bond graph |
研究概要 |
今日、製品はますます複雑になり、時として多領域にまたがることから、従来の有限要素法を中心とするモデル化手法だけでは効率の良い仮想製品の構築が容易でないことを指摘し、それを克服する可能性を持つモデル化手法として、機能モデルを一つの候補としてあげている。しかし従来の機能モデルには、定形化されたモデル構造と支配方程式、および統合と展開による階層構造化の2つの中核的概念があるが、これらは事例研究に基づいて帰納的にまとめられたものであるため、相当に経験をつまないと容易に応用ができないとし、機能モデルとボンドグラフの比較研究を通じて、機能モデルの使い勝手をよくすることが本研究の目的であると述べている。 多領域にまたがる問題を対象とするパワーフローベースのグラフモデルとシミュレーション技術では、ブロックダイヤグラム、機能モデル、ボンドグラフ、目的指向型モデリングの方法について要領良くレビューし、ブロックダイヤグラム、機能モデル、ボンドグラフ、それぞれの長所を兼ね備えたブロックベースの機能モデルのシミュレーション法を提案している。そしてこのシミュレーション法は次のような長所を有することを述べている。(1)要素の特性を表現する標準化ブロックを用いているので技術者にとって従来の機能モデルより簡潔で分かりやすい。(2)エフォートとフローからなる構造は機械系、電気系、油圧システム系からなる複雑なシステムを統一的に扱える。(3)作成手順を明確にするので素早くモデルを作ることができる。(4)非線形性も同様の手順で扱うことができる。(5)ブロック毎の数値計算で良いため計算処理が容易である。 以上を要するに、本研究提案のブロック型機能モデルは方程式を立てなくても従来のシムリンクなどを有効に使用できるというメリットがあり、有限要素法を組み合わせての多領域にまたがる問題にも従来のツールボックスを組み合わせての検討が容易となり、これにより機能モデルの適用が格段に容易となることを述べている。 本研究はこのような開発した機能モデル手法はエネルギーの流れという切り口で、機械工学、電気工学、液圧工学などを統一的に扱うという意味である。開発した機能モデル方法はJSME International Journal (Series C)で掲載しました。更に、日本と米の国際特許出願を出した。
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